人が合理的な意思決定を出来ない理由
こんにちは、Soda(@soda_SE)です。
昨日は久々にNHKを見た。
その中で興味深い番組があったので紹介します。
NHK「お金と感情と意思決定の白熱教室」~楽しい行動経済学の世界~
ここではタイトル通り、「人は果たして合理的な意思決定が出来ているのか?」というテーマが語られていた。
人生は選択の連続。100%でないにしろ、自分としては大半の選択を合理的にしてきたと思いたい。
だがこの番組を見てかなり思いが揺らいだ。
ケーススタディ 臓器提供ドナーになる?ならない?
臓器提供ドナーの参加意思決定時にYESと答えた人の割合が国によってかなり顕著である。
ほぼ100%の国と、20%前後とかなり低い国。
原因は文化の違いでもない。宗教の違いでもない。
ドナー提供者を増やす取組みが少なかったわけではない。
隣国でさえ上記のような差が出ているところもある。
では、なぜ国によってこのような差が出てしまったのか?
原因はドナー登録用紙のフォーマットにあった。
1. ドナー登録の参加率が低い国
□ 臓器提供ドナー登録を希望する人はチェックをつけてください。
2. ドナー登録の参加率が高い国
□ 臓器提供ドナー登録を希望しない人はチェックをつけてください。
人は何らかの複雑な意思決定を行おうとした際に、どのような行動を起こすのか?
なんと、何もしない。
この場合は、記録用紙にチェックをつけない。
何もしないと重要になってくるのがDefault(デフォルト)という考え方。
デフォルト(初期値)は選ぶのが一番楽で、かつ一番おすすめと見なされる傾向にあり、提案されているとさえ感じてしまうのである。
結果、自分の意思とは関係なくデフォルトメインに選択してしまう。
さらに厄介なのが、デフォルトに引っ張られる選択をしたことを、本人が自覚していないことが多いということ。
デフォルトで選ばされた場合でも人は最もらしい理由を付けて、それを自分の意思で選んだと思い込んでしまうのである。
上記ケーススタディでは、
1のデフォルト(ドナー登録をしない)に引っ張られた場合は、「家族の同意が必要だし...」とか「葬儀の手順が変わるかも」とか。
2の場合は「死後も他人の役に立ちたい」とかである。
ただ統計上、この意思決定はデフォルトに引っ張られている可能性が高く、上記の意見は本人の内から来るものではない。自分の選択を正当化しようと後から取ってつけた理由である。
人は思ったよりも怠慢な生き物で、登録用紙のチェックでさえめんどくさく感じてしまう。デフォルトが楽、安心と考えてしまう。
パソコンソフトのインストール画面で、特に各工程の画面をチェックせずに「次へ」ボタンを押下することに似ている。
Webサービスの登録時にも「メルマガの配信を希望しない人はチェックをつけて下さい」などの項目がある。人は長ったらしい文章を読むのが嫌で、その項目の存在すら気づかないままチェックをつけずに登録することも多々ある。
勿論、これまでの全ての選択がデフォルトに引っ張られているわけではないと思うが、以下の点は常に念頭に置いておく必要がある。
- 人間は思ったより怠慢な生き物。
- この瞬間の意思決定がデフォルトに引っ張られたものでなく、自分の内からくる意思なのかどうか?
- デフォルトがオススメという考え方は一旦脇にどけておく。あくまで他人から見た時のオススメであり、自分の立場からだと全く逆のこともあり得る。
Thank you for reading♪
☆written by Soda(@soda_SE)